eが無理数であることの証明【1997年阪大理系後期】
直接問題文には登場しませんが, (勿論自然対数の底)が無理数であることが,この問題の背景となっている事実だと思います.
問題: 自然数 に対して関数 とその定積分 を考える.次の問いに答えよ.
(1)区間 上で であることを示し,さらに が成り立つことを示せ.
(2) を求めよ. に対して と の間の漸化式を求めよ.
(3)自然数 に対して等式 が成り立つことを証明せよ.
(4)いかなる自然数 に対しても, は整数とならないことを示せ.
(1997年大阪大学理系後期)
さほど難しくない(正解したい)問題ですので,20分を目安に解答してみてください.また, が無理数であることも併せて証明しましょう.以下,簡単に解答を紹介します.
略解
(1) で なので, より である.また,等式は常には成り立たないから,.
(2)部分積分法より .
(3)(2)の式を で割ると,.両辺 で足し合わせて,題意の式を得る( でも成り立つ).
(4)(3)の式を 倍した式と より明らかである.
さて,ここで が有理数であると仮定をすると, より,とある互いに素な自然数 が存在し, と書けますが, が整数となり矛盾します.よって が無理数であることが証明されました.
また,本題とは離れますが,(3)の式で の極限をとると,
が得られます.