世界一受けたくない大学入試数学【1995年京大文系後期】
昨年度(2019年)のセンター英語リスニング第一問に戸惑った受験生も少なくなかっただろう.今後の大学入試では,試験中に想定外のことが起きても,冷静に問題と向き合い解答する力を求めてくるかもしれない(知らんけど).
次の問題は,1995年の京都大学文系後期の問題である.強調したい部分をを太字にした.
問題: 自然数 の関数 を
を で割った余り,
によって定める.
(1)すべての自然数 に対して を示せ.
(2)あなたの好きな自然数 を1つ決めて を求めよ.その の値をこの設問(2)におけるあなたの得点とする.
(1995年京都大学文系後期)
甚だ迷惑な問題文である.素直に 『 の最大値を求めよ』という問題でよいではないか.もしかすると,「もしも の最大値を求められなくても,我々に点数を与えてくださるなんて,京大様は慈悲深い!!」と思う人もいるかもしれない.しかし実はこの問題,最大値を与える 以外では だ.無慈悲である*1.
ところで,冷静に考えればこの問題はさほど難しくない. の最大値は明らかに であるから, の最大値は ではないかという予想が立つ.この値は 設問(2)の得点としても妥当だ.
解答
(1)以下,合同式はを法とする.示すべき等式は, に等しい*2.何にも考えずにやるなら, と場合分けする.あるいは
と式変形して,連続7数の積がの倍数であることからも示せる.
(2) より
これと(1)より を調べれば十分である.順々に計算をしていけば で最大値 を取ることがわかる.
固い文体で書いてみました.(2)の最後は愚直に計算をする以外にいい方法が見つかりませんでした.